AI AT WORK

目的別に見るAI(人工知能)のサービスの種類

業務の効率化、営業とマーケティング、顧客対応、データ分析、コンテンツ制作、開発と運用の六つの目的に分けて、AIのサービスの種類と製品の例を表に整理します。製品を選ぶ前に、業務のどこに使うかを決める考え方も紹介します。

この記事の要点

  • AIのサービスは、目的ごとに「どの作業を任せるか」で種類が分かれます
  • 製品の名前や提供の形は変わりやすいため、選ぶときは各社の公式の情報を確かめます
  • 製品を選ぶより先に、業務のどこに使うかと、その順番を決めると進めやすくなります

目的ごとに見たAIのサービス

ビジネス向けのAIのサービスは、何のために使うかで、六つの目的に分けると整理しやすくなります。目的ごとのサービスの種類と、製品の例を表にまとめました。

目的サービスの種類(できること)製品の例
業務の効率化対話型の生成AI(文書の下書き・要約・翻訳・調べもの)ChatGPT(OpenAI)、Gemini(Google)、Microsoft 365 Copilot
業務の効率化文字起こし・議事録の作成Notta
業務の効率化AI-OCR(紙の書類の読み取りとデータ化)DX Suite(AI inside)
営業とマーケティング顧客管理・マーケティングの道具に組み込まれたAIHubSpot(Breeze)、Salesforce(Agentforce)
顧客対応チャットボット・電話の自動応答・問い合わせ管理PKSHA ChatAgent、PKSHA VoiceAgent、Zendesk
データ分析BI(データの集計・可視化)・予測分析Microsoft Power BI、Tableau、Prediction One
コンテンツ制作画像・動画の生成Adobe Firefly、Runway
開発と運用コードの生成・補完、システムの監視GitHub Copilot、Kiro(AWS)、Datadog

製品の例は2026年10月時点の名前で、順位や推奨を示すものではありません。AIのサービスは、名前や提供の形が変わりやすい分野です。たとえば、AWS のコードの生成を支援する Amazon CodeWhisperer は、2024年4月30日に Amazon Q Developer の一部になりました。さらに AWS は、Amazon Q Developer の開発環境向けのプラグインのサポートを2027年4月30日に終えると発表し、同様の機能を持つ Kiro を案内しています。

出典:Amazon Q Developer rename - Summary of changes(AWS)、Amazon Q Developer IDE plugins end of support(AWS)

選ぶときは、各社の公式の情報で、機能や料金、データの扱いを確かめてください。

業務の効率化

業務の効率化では、文書づくりや会議の記録、紙の書類の入力など、毎日くり返す作業の時間を減らす使い方が中心です。

対話型の生成AIは、メールや報告書の下書き、長い資料の要約、翻訳などに使えます。文字起こしのサービスは、会議の録音から議事録の案を作ります。AI-OCR は、請求書や注文書などの紙の書類を読み取り、データにします。いずれも、AIの出力を人が確かめる手順を組み込むことが前提です。社内の問い合わせ対応に使う例は社内の問い合わせ対応をチャットボットにで取り上げています。

営業とマーケティング

営業とマーケティングでは、顧客の情報や行動の記録をもとに、見込みの高い顧客を見つけたり、連絡の文面を用意したりする使い方が広がっています。

顧客管理(CRM)やマーケティングの自動化(MA)の道具には、AIの機能が組み込まれるようになっています。顧客の記録の要約、商談の準備、メールの文面の案づくりなどを手伝います。AIの精度は、もとになる顧客の情報がどれだけ整っているかに左右されます。法人営業での使い方は法人営業でのAIの使い方をご覧ください。

顧客対応

顧客対応では、よくある問い合わせへの自動の回答と、担当者の対応の手助けが主な使い方です。

ウェブサイトやチャットでの自動応答、電話の自動応答、問い合わせの内容の分類や回答の案づくりなどがあります。答えられない問い合わせを担当者へ引き継ぐ流れと、回答のもとになる情報を最新に保つ手順を、あわせて用意しておく必要があります。

データ分析

データ分析では、社内のデータを集計して見える形にするBIと、過去のデータから先の数字を見込む予測分析が中心です。

BI の道具では、言葉で質問して集計やグラフを作る機能が加わっています。予測分析の道具は、需要や解約の見込みなどを、プログラムを書かずに試せるものがあります。予測は、過去と条件が近い場面で力を発揮するため、市場や商品が変わったときは精度を見直す必要があります。

コンテンツ制作

コンテンツ制作では、広告や資料、ウェブサイトに使う画像や動画の案を作る使い方が広がっています。

言葉で指示して画像や短い動画を作れるため、案出しや試作の時間を減らせます。仕事で使う場合は、生成したものの権利の扱いや、商用で使える条件を、各社の利用規約で確かめておくことが大切です。

開発と運用

開発と運用では、プログラムのコードを書く作業の手助けと、システムの異常を見つける監視が主な使い方です。

コードの生成・補完の道具は、コードの案の提示や、テストの作成、既存のコードの説明などを行います。監視の道具は、システムの記録から障害の兆しを見つける機能を備えています。AIが書いたコードも、人のレビューとテストを通す手順は変わりません。

製品を選ぶより、業務のどこに使うかを先に決める

AIのサービスを選ぶ前に、業務のどこにAIを使うかと、その順番を決めておくと、導入の後に使われなくなることを避けやすくなります。当社は、次の順で考えることをおすすめしています。

  1. 時間がかかっている作業や、判断の質を上げたい業務を洗い出す
  2. 見込める効果と、取り組みやすさで順番を決める
  3. 既製のサービスで足りるか、いまのシステムにつなぐか、業務に合わせて作るかを決める
  4. 小さな範囲で試し、効果と課題を確かめてから広げる

同じ製品でも、どの業務に、どのデータと組み合わせて使うかで、得られる結果は変わります。製品の比較から入るより、自社の業務と経営の目標から考えるほうが、選ぶ基準もはっきりします。

当社のご支援

当社のAI・DXコンサルティングでは、経営の目標から逆算して、何にAIを使うか、どの順番で進めるかを一緒に決めます。既製のサービスをいまのシステムにつなぐ段階はAIインテグレーション、業務に合わせて作る段階はソリューション提供でご支援します。当社が使うツールや基盤は使うツール・基盤にまとめています。

  • AIサービス
  • 生成AI
  • 業務効率化
  • AI導入

この記事に出てくる用語

この記事を書いた人

桐谷 彰人 取締役COO

システムエンジニアとして、ビジネスモデルの策定から要件定義、開発、コードレビューまでを担当してきました。運送管理、飲食業向けのDX、ECサイトなど、さまざまな業界のシステム開発に携わっています。

このコラムは一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の状況への助言ではありません。製品・サービスの名前と内容は、記事の更新日の時点のものです。

あわせて読みたい

業務でのAI活用のコラムを見る コラムの一覧に戻る