この記事の要点
- AIには文字起こしと要約の下書きを任せ、内容を確かめて記録を確定するのは人が受け持ちます
- 録音や文字起こしは、始める前に参加者に伝え、社外の人がいる会議では相手の了承を得ます
- 記録をどこに保存し、だれが見られ、いつ消すかを、使い始める前に決めておきます
会議の記録づくりは、AIに下書きを任せやすい仕事です。会議の録音から文字を起こし、要点をまとめ、決まったことと宿題を抜き出すところまではAIが行い、人は内容を確かめて記録を確定する、という分け方にすると、無理なく使い始められます。
一方で、会議の記録には参加者の発言がそのまま残ります。この記事では、使い方の流れとあわせて、参加者への断り方、保存と共有の範囲、確かめ方を説明します。
会議の記録は、どのような流れでAIに任せますか
録音する、文字を起こす、要約する、決定事項と宿題を抜き出す、人が確かめて共有する、という流れです。AIが受け持つのは、主に文字起こしから抜き出しまでです。
録音して文字を起こす
会議の音声を記録し、音声認識の技術で文字にします。文字起こしとは、話された言葉を文章にすることです。Web会議なら会議のサービスの機能で、対面の会議ならマイクとパソコンやスマートフォンの録音で記録します。話す人とマイクの距離が遠い、何人もが同時に話す、といった場合は、聞き取りの誤りが増えます。
要約し、決定事項と宿題を抜き出す
起こした文章を生成AIに渡し、要点をまとめさせます。会議の記録で大切なのは、話の流れよりも、決まったこと、まだ決まっていないこと、だれがいつまでに何をするか(宿題)です。この3つに分けて抜き出させると、そのまま記録の形になります。
人が確かめて共有する
AIがまとめた案を、会議の進行役や記録の担当者が読み、誤りを直してから参加者に共有します。ここを省くと、言っていないことが記録に残るおそれがあります。
会議の記録をAIに任せるときの流れ
- 録音と文字起こし会議の音声を記録し、音声認識で文字にする
- 要約起こした文章を生成AIに渡し、要点をまとめさせる
- 抜き出し決まったこと・まだ決まっていないこと・宿題に分ける
- 確認と共有進行役や記録の担当者が誤りを直し、参加者に共有する
AIが受け持つのは、主に文字起こしから抜き出しまで。記録の確定は人が行います
どのようなサービスが使えますか
Web会議のサービスに組み込まれた機能と、録音した音声を読み込ませる文字起こしのサービスがあります。
2026年10月時点で、Google Meet には、Gemini が会議の内容をまとめてメモを作る「自動メモ生成」の機能があります。Microsoft Teams では、Copilot が会議の要点をまとめたり、アクションアイテム(宿題)を挙げたりできます。どちらも、使える機能は契約しているプランや会社の管理者の設定によって異なります。
参考:Google Meet の「自動メモ生成」(Google Meet ヘルプ)、Teams で Microsoft Copilot を使用して会議に追いつく(Microsoft サポート)
会社が利用を認めていないサービスに、会議の録音や文字起こしを読み込ませるのは避けます。どのサービスを使ってよいかは、社内の利用ルールで決めておきます。ルールの作り方は社内の生成AIの利用ルールの作り方で説明しています。
要約は、どう頼めばよいですか
記録の形を先に決めて、その形で出させます。「要約して」とだけ頼むと、会議の順に話を縮めた文章になりがちです。
たとえば、次のように頼みます。
- 決まったこと、まだ決まっていないこと、宿題の3つに分けて、箇条書きでまとめてください
- 宿題は「担当・内容・期日」の形で書き、期日が話されていない場合は「期日の言及なし」と書いてください
- 金額、数量、日付が出てきた場合は、そのまま残してください
- 会議で話されていないことは書かないでください
社内の記録の書式がある場合は、その見出しを渡すと、転記の手間が減ります。指示の書き方の原則は生成AIへの指示(プロンプト)の書き方の原則にまとめています。
参加者には、どう断ればよいですか
録音や文字起こしを始める前に、目的と記録の扱いを参加者に伝えます。会議の案内の段階で「記録のために文字起こしを使います」と書いておき、会議の冒頭でもあらためて伝えると、了承を得やすくなります。
会議のサービスによっては、文字起こしやメモの作成が始まると、参加者の画面に知らせが表示されます。ただし、画面の表示だけに任せず、言葉で伝えるほうが丁寧です。記録されたくないという参加者がいれば、その会議では使わず、人がメモを取る形に切り替えます。
社外の人がいる会議では、何に気をつけますか
相手の了承を得ること、相手の会社の決まりを尊重すること、記録を相手と共有するかを決めておくことの3つです。
お客様や取引先との会議では、相手の会社にも録音や外部のサービスの利用についての決まりがある場合があります。会議の前に確かめ、了承を得てから始めます。会議のサービスの設定によっては、まとめたメモが社外の参加者にも自動で共有されることがあるため、共有の設定も事前に確かめます。商談での使い方は法人営業でのAIの使い方でも取り上げています。
記録の保存と共有の範囲は、どう決めますか
録音、文字起こしの全文、まとめた記録のそれぞれについて、保存する場所、見られる人、消す時期を決めます。
録音と文字起こしの全文には、まとめた記録よりも多くの発言が残ります。まとめた記録を確定したら、録音と全文はいつまで残すかを決めておくと、情報が必要以上に広がるのを防げます。人事や経営の判断、個人の事情にかかわる会議のように、記録に残すこと自体に注意が要る会議では、AIの記録を使わない、という選び方もあります。
送る前に、何を確かめればよいですか
人の名前、数字と日付、だれが言ったか、決まったことの言い回しの4点を確かめます。
文字起こしでは、人の名前、社名、製品名、専門用語の聞き取りの誤りがよく起こります。発言した人を取り違えることもあります。要約では、生成AIが話されていない内容をもっともらしく補うこと(ハルシネーション)があります。決まったことと宿題は、会議に出ていた人が読み、実際の話と合っているかを確かめてから確定します。
当社のご支援
当社は、文書や議事録の自動要約、音声の文字起こしなどのご相談をお受けしています。会議の記録を社内のシステムや文書の管理とつなげたい場合はAIインテグレーションを、まず専門家に相談しながら使い方を決めたい場合は、月20時間から使えるAIタイムシェアをご覧ください。メールの下書きや要約での使い方は、メールの下書き・要約・返信にAIを使う方法と注意点もあわせてご覧ください。
- 議事録
- 文字起こし
- 要約
- 生成AI
この記事に出てくる用語
関連する法令・指針(参考情報)
- 法令
個人情報保護法 第18条(利用目的による制限)
あらかじめ本人の同意を得ないで、特定した利用目的の達成に必要な範囲の外で個人情報を取り扱ってはなりません。法令にもとづく場合など、例外も定められています。
- 指針
個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日)
生成AIサービスを使うときの個人情報の扱いの注意点です。事業者には、個人情報を含む指示の入力が利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確かめることや、入力した個人データをサービスの提供者が機械学習に使わないことなどを確かめることを求めています。
法令は2026年10月21日時点の内容です。要旨は当社がまとめたもので、条文・判決・指針の全文ではありません。個別の事案への当てはめは、弁護士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。表記の決まりは法令・指針の参考情報と凡例をご覧ください。
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