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生成AIへの指示(プロンプト)の書き方の原則

生成AIから仕事で使える答えを引き出すための、指示(プロンプト)の書き方の原則をまとめます。目的・背景・材料・出力の形・例の伝え方と、結果の確かめ方まで、2026年10月時点の使い方に合わせて説明します。

この記事の要点

  • 何に使う成果物か、なぜその条件なのかを、新しく入った同僚に頼むつもりで具体的に書きます。
  • 一般論ではなく、手元の資料を渡してその範囲で答えさせると、仕事に合った結果になります。
  • 複雑な仕事は段階に分け、事実や数字は元の資料で確かめてから使います。

生成AIの答えが期待外れになるとき、原因の多くは指示の書き方にあります。目的や前提を伝えずに頼むと、生成AIは当たり障りのない一般論で答えるしかないためです。

プロンプトとは、生成AIに渡す指示や質問の文章のことです。本記事では、業務で生成AIを使うときに押さえておきたいプロンプトの原則を、2026年10月時点の使い方に合わせて説明します。メールの作成に絞った使い方は、メールの作成にAIを使うで紹介しています。

よいプロンプトの基本は何ですか

新しく入った同僚に仕事を頼むときと同じくらい、具体的に書くことです。生成AIは文章を扱う力が高い一方、あなたの会社の事情や、頼んだ仕事の使い道を知りません。

Anthropic の手引きでは、プロンプトを「仕事の背景を知らない同僚に見せて、その人が迷わず作業できるか」で確かめる方法が紹介されています。人が読んで迷う指示は、生成AIにとっても曖昧です。

何を伝えればよいですか

目的、背景、材料、出力の形の4つを伝えると、答えが仕事に合ったものになりやすくなります。毎回すべてを書く必要はありませんが、答えが期待と違うときは、どれが欠けているかを見直します。

目的:何に使う成果物か

「要約して」だけでなく、誰が何のために読むのかを書きます。「役員会の前に役員が3分で読む」と「担当者が作業の手順を確かめる」では、残すべき情報が違います。

背景:なぜその条件なのか

条件だけでなく、その理由も添えます。「専門用語を使わない」とだけ書くより、「読み手は経理の担当者で、システムの用語に慣れていないため」と書くほうが、生成AIは指示の意図をくみ取り、書いていない箇所でも同じ方針で判断できます。Anthropic の手引きでも、指示の理由を伝えることが勧められています。

材料:手元の資料を渡す

会議のメモ、規程、過去の資料など、答えの元になる情報を一緒に渡します。材料を渡さずに頼むと、生成AIは一般的な知識から答えを作るため、自社の事情とずれた内容になります。長い資料を渡すときは、資料を先に置き、指示を後に書くと読み違いが起きにくくなります。

出力の形:どんな形で受け取りたいか

字数、箇条書きか表か、見出しの有無、敬体か常体かなどを指定します。後で別の資料に貼り付けるなら、その資料の形に合わせて指定しておくと、手直しが少なくなります。

例を見せると、何が変わりますか

文体や形式を合わせたいときは、言葉で説明するより、望む形の例を1〜3個見せるほうが伝わりやすくなります。社内の報告書の書きぶりや、表の列の並びなどは、例を示すと揃いやすい項目です。

注意したいのは、生成AIが例の細部まで真似ることです。例が1つだけだと、その例の長さや言い回しに引きずられることがあります。複数の例を見せるときは、内容や長さに幅を持たせます。

書き方の違いを、例で比べるとどうなりますか

同じ依頼でも、目的・背景・材料・出力の形を足すと、答えの質が変わります。たとえば、社内の経費精算のシステムを切り替えることを社員に知らせる資料の骨子を頼む場合を考えます。

足りない指示の例は、「経費精算システムの切り替えについて、社内向けの説明資料を作って」です。生成AIは、どの社員に向けて、何を伝えるべきかが分からず、一般的な切り替えの説明を返します。

伝えることを足した指示の例は、次のとおりです。

  • 目的:全社員向けの説明会で使う、スライド6枚ほどの資料の骨子を作ってほしい
  • 背景:社員の多くは月に数回しか経費精算をしないため、新しい画面の操作より「いつから何が変わるか」を知りたがっている
  • 材料:下に貼る、切り替えの日程表と、新旧の申請の流れの比較のメモ
  • 出力の形:スライドごとに見出しと3行以内の要点。専門用語には短い説明を添える
  • 確認:材料に書かれていないことは書かず、不明な点は最後に質問として挙げる

最後の「不明な点は質問として挙げる」は、生成AIが推測で空白を埋めるのを防ぐための一文です。答えを受け取った後に、足りない情報を補って頼み直すこともできます。

複雑な仕事は、どう頼めばよいですか

一度にすべてを頼まず、段階に分けて頼み、途中の結果を確かめながら進めます。「資料を読んで論点を整理する」「論点ごとに案を出す」「案を文章にまとめる」のように分けると、どこで方向がずれたかが分かりやすくなります。

2026年10月時点では、答える前に考える段階を持つモデルが広く使われています。そうしたモデルでは、「一歩ずつ考えて」のような決まり文句を足すより、目的と条件をはっきり書くことのほうが結果に表れやすくなります。考え方の手順そのものを細かく指定するのは、社内で決まった判断の手順があるときに絞るとよいでしょう。

返ってきた答えは、どう扱えばよいですか

生成AIの答えは下書きとして扱い、事実・数字・固有名詞は元の資料で確かめてから使います。生成AIは、もっともらしいが誤った内容を書くことがあるためです。生成AIの苦手なことは、いまのAIが得意なこと・苦手なことで説明しています。

もう一点、プロンプトに入れる情報にも注意が要ります。個人情報や社外秘の情報を入力してよいかは、会社の利用ルールと、使うサービスの設定によって決まります。決まりがない場合は、先に社内で取り決めておきます。

繰り返し使う依頼は、うまくいったプロンプトを保存し、部署で共有しておくと便利です。多くの生成AIのサービスには、決まった指示や資料を保存して繰り返し使う機能があります。

参考:Prompting best practices(Anthropic)、プロンプト設計の戦略(Google AI for Developers)

当社のご支援

当社は、社内で生成AIを使い始めるときのプロンプトの型づくりや、部署ごとの使い方の相談に応じています。月20時間からの時間契約で専門家に相談できるAIタイムシェアをご用意しています。どの業務に生成AIを使うかから考えたい場合は、AI・DXコンサルティングのページもご覧ください。

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この記事を書いた人

桐谷 彰人 取締役COO

システムエンジニアとして、ビジネスモデルの策定から要件定義、開発、コードレビューまでを担当してきました。運送管理、飲食業向けのDX、ECサイトなど、さまざまな業界のシステム開発に携わっています。

このコラムは一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の状況への助言ではありません。製品・サービスの名前と内容は、記事の更新日の時点のものです。

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