この記事の要点
- Webサイトは主に情報を伝えるもの、Webシステムはデータを登録・検索・更新して作業をするものです
- Webシステムは、フロントエンド・バックエンド・データベース・サーバーの4つの部品で動いています
- つくるときは、だれが使い、どんな作業をし、どんなデータを扱うかを先に整理すると話を進めやすくなります
Webシステムとは、ブラウザから使い、使う人や入力した内容によって動きが変わる仕組みのことです。会社案内のようなWebサイトとの違いは、データを登録したり、検索したり、更新したりできるかどうかにあります。
「Webサイト」と「Webシステム」は似た言葉のため、社内で話をするときに混ざりやすい言葉です。この記事では、2つの違いと、Webシステムがどのような部品で動いているのかを、専門用語をなるべく使わずに説明します。
Webシステムとは
Webシステムとは、Chrome や Edge などのブラウザ(Webページを見るためのソフト)から使い、ログインした人や入力した内容に応じて、表示や処理が変わる仕組みです。Webアプリケーションと呼ぶこともあります。
身近な例には、次のようなものがあります。
- 勤怠の打刻や、経費の申請
- 会議室や来店の予約
- ネットショップでの注文
- 顧客の情報や商談の記録の管理
どれも、画面を見るだけでなく、何かを入力し、その結果が保存されて、次に開いたときにも残っているのが共通点です。パソコンにソフトを入れなくても、ブラウザがあれば使えるため、社外や自宅からも使いやすいという特徴があります。
Webサイトとの違い
主な違いは、見る人によって内容が変わるか、データを登録・更新できるかの2点です。
| 観点 | Webサイト | Webシステム |
|---|---|---|
| 主な目的 | 情報を伝える | 作業をする(登録・検索・申請など) |
| 表示される内容 | だれが見ても同じ | ログインした人や条件によって変わる |
| データ | ページに書いた文章や画像 | データベースに保存し、読み書きする |
| 例 | 会社案内、製品の紹介、コラム | 予約、受発注、勤怠、顧客管理 |
ただし、境目ははっきりしたものではありません。たとえば、会社のWebサイトにあるお問い合わせのフォームは、入力された内容を受け取って記録するため、小さなWebシステムといえます。Webサイトの中に、Webシステムの部分が含まれていることもよくあります。
Webシステムを形づくる4つの部品
Webシステムは、フロントエンド・バックエンド・データベース・サーバーの4つの部品が役割を分けて動いています。レストランにたとえると、客席とメニューがフロントエンド、厨房がバックエンド、食材の倉庫がデータベース、お店の建物がサーバーに当たります。
Webシステムの4つの部品を、レストランにたとえると
- フロントエンド客席とメニュー
- バックエンド厨房
- データベース食材の倉庫
- サーバーお店の建物
フロントエンド
フロントエンドとは、使う人が目にして操作する部分のことです。画面の見た目、ボタン、入力欄、表などがこれに当たり、ブラウザの上で動きます。使いやすさは、ここのつくりで大きく変わります。
バックエンド
バックエンドとは、画面の裏側で処理を行う部分のことです。入力された内容が正しいかの確認、金額の計算、その人が操作してよいかの確認、メールの送信など、目に見えない仕事を受け持ちます。
データベース
データベースとは、データを整理してためておく仕組みのことです。顧客の名前、注文の内容、予約の日時などを、あとから探しやすい形で保存します。Webシステムの「中身」ともいえる部分で、データが失われないよう、バックアップを取って守ります。
サーバー
サーバーとは、バックエンドやデータベースを動かし続けるコンピューターのことです。以前は自社で機械を買って置く形が中心でしたが、いまはインターネットの向こうにあるコンピューターを借りるクラウドも広く使われています。
ボタンを押してから結果が出るまで
ブラウザがサーバーに依頼を送り、サーバーが処理をして結果を返す、という往復で動いています。会議室を予約する場面で見てみます。
- 使う人が、画面で日時と部屋を選び、「予約する」のボタンを押す(フロントエンド)
- ブラウザが、インターネットを通じてサーバーに依頼を送る
- バックエンドが、その時間が空いているかをデータベースで確かめ、空いていれば予約を書き込む
- 結果をブラウザに返し、画面に「予約しました」と表示する
ふだんは、この往復がほんの一瞬で終わります。やり取りは暗号化して送るのが基本で、アドレスが「https」で始まるのはそのためです。
ほかのシステムともつながる
Webシステムは、単独で動くだけでなく、スマートフォンのアプリや、会計・在庫などのほかのシステムとデータをやり取りすることもあります。システムどうしがデータを受け渡すための窓口を API と呼びます。
たとえば、Webで受けた注文を、そのまま販売管理のシステムに渡せれば、同じ内容を手で入力し直す手間がなくなります。つなぎ方の考え方は、いまの基幹システム・SaaSとAIをつなぐ方法で取り上げています。
つくる前に、発注する側が整理しておくこと
だれが使い、どんな作業をし、どんなデータを扱うかを先に整理しておくと、開発会社との話が進めやすくなります。専門的な言葉で書く必要はありません。
- だれが使うか(社内の人だけか、お客様や取引先も使うか)
- どんな作業をするか(登録、検索、承認、集計など)
- どんなデータを扱うか(個人の情報やお金にかかわる情報を含むか)
- どのくらいの人数で、どのくらいの量を扱うか
- いま、その作業をどのように行っているか(紙、表計算のソフト、ほかのシステムなど)
既製のサービスで足りる場合もあるため、つくる前に比べてみることも大切です。比べ方は業務システムはSaaSで足りるか、個別に開発するか、決める内容の整理は要件定義で決めること:はじめての方へをご覧ください。また、ログインや個人の情報を扱う以上、安全の対策も欠かせません。基本はWebシステムのセキュリティ対策の基本にまとめています。
当社のご支援
アメリア・テクノロジーは、AIの部分だけでなく、画面・データベース・権限など、業務で使うために必要な部分まで含めてWebシステムを開発しています。何から整理すればよいか分からない段階でも、お話をうかがいながら一緒に考えます。開発はソリューション提供、いまのシステムとのつなぎ込みはAIインテグレーションをご覧ください。まずは相談したいという方には、月20時間から使えるAIタイムシェアもあります。
- Webシステム
- Webサイト
- 入門
この記事に出てくる用語
このコラムは一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の状況への助言ではありません。製品・サービスの名前と内容は、記事の更新日の時点のものです。