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AI時代のリスキリングで身につけたい3つの力と、会社の支え方

AIを仕事に生かすために学び直したいのは、AIを使いこなす力、課題を見つけて問いを立てる力、人と協力して決める力の3つです。社員一人ひとりの学び方に加えて、会社が学び直しを支える方法も紹介します。

この記事の要点

  • AIと速さや記憶で競うのではなく、AIを使う側の力を伸ばす
  • 課題を見つけ、問いと仮説を立て、結果を確かめて決めるのは人の役割
  • 学び直しは個人任せにせず、会社が時間・題材・相談先を用意して支える

AIを仕事に生かすために学び直したいのは、AIを使いこなす力、課題を見つけて問いを立てる力、人と協力して決める力の3つです。あわせて、学び直しを社員個人の努力に任せず、会社が支える仕組みを作ると、身についた力が業務の成果につながりやすくなります。

リスキリングとは、仕事の内容の変化に合わせて、新しい知識や技能を身につけ直すことです。AIが文章の作成や情報の整理を担うようになると、人の仕事の重心は「作業をすること」から「AIに頼み、結果を確かめ、判断すること」へ移っていきます。AIの広がりに不安を感じる方もいますが、AIと速さや記憶の量で競う必要はありません。AIを使う側の力を伸ばすことが、学び直しの中心になります。

1. AIを使いこなす力

AIを使いこなす力とは、AIへの頼み方と、AIの答えを確かめる力の2つです。

頼み方(プロンプト)

プロンプトとは、AIへの指示や質問の文のことです。目的、前提、守ってほしい条件、ほしい形(箇条書き、表、字数)をはっきり書くほど、使える答えが返りやすくなります。書き方はプロンプトの書き方で詳しく説明しています。

始めるなら、毎日書いているメールや報告書の下書きをAIに頼み、自分で直す、というところからが手軽です。くり返すうちに、AIに任せやすいことと、人が手を入れるべきことの境目が見えてきます。

答えを確かめる力

ハルシネーションとは、AIが事実にもとづかない内容を、もっともらしい文で出力してしまうことです。生成AIの答えには誤りが混ざることがあるため、数字や固有名詞は元の資料で確かめる、根拠を尋ねる、判断に使う前に人が読む、という習慣が要ります。

どんなデータや情報をもとにした答えなのか、偏りはないか、筋道に無理はないかを考える力も、ここに入ります。統計の専門家でなくても、情報の確からしさを疑ってみる姿勢は身につけられます。

2. 課題を見つけ、問いを立てる力

AIは与えられた問いに答えるのは得意ですが、何を問うべきかを決めるのは人の役割です。

  • なぜそうなっているのかを問う:売上が落ちている、問い合わせが増えている、といった事実の裏にある原因を考える
  • 仮説を立てる:「こうすれば改善するのではないか」という案を立て、AIで資料を集めたり、データを整理したりして確かめる
  • 結果から決める:確かめた結果をもとに、続けるか、変えるかを決める

問いと仮説を立て、AIの助けを借りて確かめる。そのくり返しを回せる人は、AIがあることで仕事の幅を広げられます。AIに分析を頼む前に「何を明らかにしたいのか」を一文で書いてみるのは、日々の仕事の中でできる練習です。

3. 人と協力して決める力

相手の気持ちをくみ取る、意見の違う人をまとめる、決めたことに責任を持つ、という人と人の間の仕事は、AIが広がっても人が担います。

お客様が言葉にしない不安に気づく、チームの負担の偏りに気づいて声をかける、利害の異なる部門の間で調整する。AIの分析や下書きを使いながらも、最後に決めて責任を負うのは人です。AIで作業が減るぶん、人と向き合う仕事に使える時間を増やせます。

会社が学び直しを支えるには

学び直しを社員個人の努力に任せず、会社が時間・題材・相談先を用意すると、続きやすく、業務の成果にもつながりやすくなります。

  • 学ぶ時間を業務の中に用意する:勤務時間の一部を、AIを試す時間として認める
  • 実際の業務を題材にする:自分の仕事の文書やデータ(社外に出してよい範囲)で試すと、身につきやすい
  • 使ってよいツールと決まりを示す:法人向けの契約を用意し、入力してよい情報の範囲を決める
  • 相談できる人を置く:つまずいたときに聞ける社内の担当者や、外部の専門家を決めておく
  • うまくいった使い方を共有する:社内で紹介し、ほかの部門にも広げる

管理職の役割も大切です。部下がAIを試す時間を認め、うまくいかなかった試みも学びとして扱う雰囲気があると、学び直しは続きやすくなります。管理職自身が業務で使ってみせることも、社内に広がるきっかけになります。

国の制度には、社員の訓練の費用や訓練中の賃金の一部を助成するものもあります。たとえば厚生労働省の人材開発支援助成金には、目的別にいくつかのコースがあります。コースや条件は年度の途中でも変わることがあるため、使うときは厚生労働省や管轄の労働局の最新の案内を確かめてください。

学び直しも、AIの導入と同じく、小さな範囲から始めて広げるのが進めやすい形です。会社としての進め方はAI導入がうまくいく会社に共通する4つの進め方も参考にしてください。

当社のご支援

当社のAIタイムシェアでは、月20時間からの時間契約で、AIの専門家に相談や作業を頼めます。社員の方がAIを業務で試すときの相談先として、使い方の整理や、社内の決まりづくりを一緒に進めることもできます。どの業務からAIを使い、どんな力を社内で育てるかを経営の目標から整理したい場合は、AI・DXコンサルティングをご覧ください。

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この記事に出てくる用語

この記事を書いた人

桐谷 彰人 取締役COO

システムエンジニアとして、ビジネスモデルの策定から要件定義、開発、コードレビューまでを担当してきました。運送管理、飲食業向けのDX、ECサイトなど、さまざまな業界のシステム開発に携わっています。

このコラムは一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の状況への助言ではありません。製品・サービスの名前と内容は、記事の更新日の時点のものです。

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