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分野別に見るAIの活用の動き:医療から行政まで

医療、気象、製造・物流、交通、金融、行政の6つの分野で、AIがどう使われ始めているかを、公的機関や研究機関などの公式発表をもとに紹介します。自社での使い方を考えるときの手がかりもまとめます。

この記事の要点

  • たんぱく質の構造の予測や気象の予報など、AIが専門家の仕事の土台に組み込まれる例が出ています。
  • 金融や行政では、AIを使う前提で、管理の考え方や職員の利用の環境を整える動きが進んでいます。
  • どの分野でも、データの整備と、人が確かめる手順の設計が共通の課題です。

分野ごとに見ると何が分かるか

分野ごとに見ると、AIは人の作業をそのまま置き換えるよりも、専門家の判断を支える道具として組み込まれている例が多いことが分かります。この記事では、公的機関や研究機関などの公式発表で確かめられる取り組みを中心に紹介します。

AIの仕組みや言葉は、AIとは何かで説明しています。

医療・創薬

医療では、たんぱく質の構造を予測するAIや、画像から病変の候補を示すAIが、研究者や医師の仕事を支えています。

たんぱく質の構造の予測

2024年のノーベル化学賞の半分は、たんぱく質の構造を予測するAIモデル「AlphaFold2」を開発した Google DeepMind の Demis Hassabis 氏と John Jumper 氏に贈られました。たんぱく質の形は体の中での働きと深く関わるため、薬の研究などの土台になる技術です。予測の結果は公開され、世界中の研究者が使っています。

出典:The Nobel Prize in Chemistry 2024 プレスリリース(スウェーデン王立科学アカデミー)

画像の診断の支援

米国食品医薬品局(FDA)は、販売が認められた、AIを使う医療機器の一覧を公開しています。画像の診断を支援する機器など、医師の判断を助ける用途のものが並んでいます。

出典:List of Artificial Intelligence-Enabled Medical Devices(FDA)

気象

気象の予報では、過去の観測のデータから学んだAIのモデルが、実際の予報の業務に使われ始めています。

欧州中期予報センター(ECMWF)は、2025年2月25日に、AIを使った予報の仕組み「AIFS」の運用を始めました。従来の物理の計算にもとづく予報の仕組みと並べて運用しています。

出典:ECMWF's AI forecasts become operational(ECMWF、2025年2月25日)

製造・物流

製造と物流では、設備の故障の予兆の検知、製品の外観の検査、需要の予測、配送の計画などにAIが使われています。共通するのは、センサーの値や画像、出荷の記録など、現場に日々たまるデータを使う点です。

たとえば、機械の振動や温度の変化から故障の予兆をとらえ、止まる前に部品を替える使い方があります。物流では、車両の大きさや重さ、時間帯の制約を踏まえて配車の案をつくり、担当者が確かめて決める使い方があります。当社のAI開発の例でも、配車計画や需要予測の例を紹介しています。

交通

交通では、運転者のいない自動運転を公道で行うための制度が整いました。日本では、改正道路交通法の施行により、2023年4月から、運転者がいない状態での自動運転(レベル4に相当する「特定自動運行」)を許可する制度が始まっています。

自動運転では、カメラやセンサーで周りの状況を認識する部分などにAIの技術が使われています。制度のもとでは、運行する地域や条件を決め、許可を受けて運行します。

出典:自動運転(警察庁)

金融

金融では、不正な取引の検知や審査の支援、問い合わせへの対応などにAIが使われ、監督する側も考え方を示しています。

金融庁は、2025年3月に「AIディスカッションペーパー」を公表し、2026年3月3日に第1.1版に改めました。金融機関がAIを使うときの論点や、リスクの管理とガバナンスの考え方を整理したもので、官民の意見交換の場で得た知見を反映しています。

出典:AIディスカッションペーパー(第1.1版)の公表について(金融庁、2026年3月3日)

行政

行政では、職員が生成AIを安全に使える環境づくりが進んでいます。

デジタル庁は、政府の職員向けの生成AIの環境、ガバメントAI「源内」を整えています。文章の作成・要約・翻訳などの汎用の機能と、行政の業務向けの機能があり、2026年度に全府省庁の約18万人の職員が使える形を目指しています。2026年4月には、源内をオープンソースのソフトウェアとして公開しました。

出典:ガバメントAI「源内」(デジタル庁)

分野を問わず共通すること

どの分野でも、成果を左右するのは、AIのモデルそのものより、データの整備と、人が確かめる手順の設計です。

  • データ:使えるデータがそろっているか、更新の仕組みがあるか
  • 確認:AIの出した結果を、誰が、どの段階で確かめるか
  • 責任:誤りがあったときに、誰がどう対応するか

医療や金融のように規制のある分野では、国や業界の指針に沿った管理が求められます。自社の業務でAIの使いどころを探すときは、日々たまっているデータと、人が判断している場面を書き出すところから始めると、候補が見つけやすくなります。いまのAIが得意なことと苦手なことは、AIが得意なこと・苦手なことで整理しています。

当社のご支援

アメリア・テクノロジーは、業種や業務の特徴を伺い、どこにAIを使うと経営の目標に近づくかの整理から、開発、運用までお手伝いします。進め方の検討はAI・DXコンサルティング、これまでの開発の例はAI開発の例をご覧ください。

  • AIの活用
  • 医療
  • 金融
  • 行政

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この記事を書いた部署

アメリア・テクノロジー 編集部

アメリア・テクノロジーの技術者・コンサルタントが、法律・制度・研究・最新の動向などのテーマについて、公的機関の資料や企業の公式発表などの一次情報を確かめて執筆・編集しています。

このコラムは一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の状況への助言ではありません。製品・サービスの名前と内容は、記事の更新日の時点のものです。

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