この記事の要点
- AIは一つの技術ではなく、人の知的な作業をコンピューターで行う技術をまとめた呼び名です
- 従来のプログラムは人がルールを書き、いまのAIの多くはデータから規則を学びます
- AIの答えには誤りがあるため、仕事では使う場面を決め、人が確かめる手順を組み込みます
AIとは何か
AIとは、人が頭の中で行っている判断や予測、言葉の理解などを、コンピューターで行えるようにする技術の総称です。Artificial Intelligence の略で、日本語では「人工知能」と呼びます。
AIという言葉は、特定の一つの製品や技術を指すものではありません。画像に写っているものを見分ける技術、売上を予測する技術、文章を書く技術など、性質の異なる多くの技術をまとめた呼び名です。ニュースで「AIを導入した」と書かれていても、中身は会社ごとに大きく違います。
従来のプログラムと何が違うのか
大きな違いは、ルールを人が書くか、データから学ぶかです。従来のプログラムは、人が「この条件ならこう処理する」という手順を一つずつ書きます。いまのAIの多くは、たくさんの例を読み込み、その中にある規則をコンピューター自身が見つけます。
たとえば、迷惑メールを見分ける場合を考えます。ルールを人が書く方法では、迷惑メールに出てきやすい言葉や送り主の特徴を、人が思いつく限り並べる必要があります。データから学ぶ方法では、「迷惑メール」「普通のメール」と分けた過去のメールを大量に読み込ませ、見分け方をコンピューターに学ばせます。新しい手口が出てきても、データを足して学び直すことで対応しやすくなります。
従来のプログラムと、いまのAIの多くの違い
従来のプログラム
いまのAIの多く
迷惑メールを見分ける例では、新しい手口が出てきても、データを足して学び直すことで対応しやすくなります
大きな違いは、ルールを人が書くか、データから学ぶかです
AIはどのように学ぶのか
データから規則を学ぶ方法を「機械学習」と呼び、いまのAIの多くはこの方法で作られています。機械学習の中でも、人の脳の神経のつながりを手本にした「ディープラーニング」は、画像や音声、文章のような複雑なデータを扱うのに向いています。
二つの違いや、業務でどう使い分けるかは、機械学習とディープラーニングの違いと、業務での使い分けで詳しく説明しています。
生成AIは何が新しいのか
生成AIとは、文章や画像、音声、プログラムのコードなどを新しく作り出すAIです。それまでのAIは、データを分類したり、数値を予測したりする使い方が中心でした。生成AIは、指示に応じて新しい文章や画像を作れる点が異なります。
- 分類や予測をするAI:「この写真は犬か猫か」「来月の売上はどのくらいか」に答える
- 生成AI:「会議の要点をまとめて」「商品の説明文の案を三つ出して」に応じて文章を作る
ChatGPT などの対話型のサービスは、大量の文章を学んだ「LLM(大規模言語モデル)」を土台にしています。LLM やハルシネーションなど、生成AIのニュースによく出る言葉はAIのニュースによく出る用語にまとめています。
身近なところで使われているAI
AIは、意識しないうちに日常の多くの道具に組み込まれています。
- メールソフトの迷惑メールの振り分け
- スマートフォンの顔認証
- 動画や通販のサイトのおすすめの表示
- 翻訳や音声入力
- 地図アプリの到着時刻の予測
いずれの例も、過去のデータから学んだ規則をもとに、見分けたり予測したりしています。
仕事ではどのように使われているか
仕事でのAIの使い方は、大きく「作業の時間を減らす」「判断の材料を増やす」「新しいものを作る」の三つに分けられます。
- 作業の時間を減らす:紙の書類の読み取り、会議の記録の文字起こし、よくある問い合わせへの回答
- 判断の材料を増やす:需要や売上の予測、顧客の分類、設備の異常の検知
- 新しいものを作る:文書やメールの下書き、企画の案出し、画像の試作
同じ「AI」でも、使う技術や必要なデータは用途ごとに異なります。どの用途から手をつけるかは、効果の見込みと、使えるデータがそろっているかで考えると決めやすくなります。
仕事で使う前に押さえておきたいこと
仕事でAIを使うときは、AIの答えには誤りがあることを前提に、使う場面と確かめる手順を決めておくことが大切です。AIは学んだデータに似た場面では力を発揮しますが、条件が大きく変わる場面や、理由の説明が求められる場面では注意が要ります。得意なことと苦手なことはいまのAIが得意なこと・苦手なことで取り上げています。
あわせて、次の点を確かめておくと進めやすくなります。
- 何のために使うのか(時間を減らしたい作業、判断の質を上げたい業務など)
- AIに読ませるデータがあるか、社外に出してよい情報か
- AIの答えを、誰がどのように確かめるか
AIは人の仕事をそのまま置き換えるものというより、下調べや下書き、データの整理などを手伝う道具として考えると、使いどころを見つけやすくなります。
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