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IT全般統制とは、財務報告に関わるシステムが正しく動き続けるように、開発と変更の管理、アクセスの管理、運用の管理、委託先の管理などを整える仕組みです。
内部統制のうち、ITを使った統制は、IT全般統制とIT業務処理統制に分けて考えられます。IT業務処理統制は、入力の確認や自動の計算など、個々の業務の処理の中に組み込まれた統制です。IT全般統制は、それらの処理が正しく動き続けることを支える、システム全体の管理の仕組みです。
IT全般統制の主な領域には、システムの開発と変更の管理、利用者のアカウントと権限の管理、日々の運用(バックアップや障害への対応など)、外部の委託先の管理があります。たとえば、退職した人のアカウントが残っている、本番のシステムを承認なしに変えられる、といった状態は、IT全般統制の不備として指摘されやすい点です。
上場を目指す会社は、内部統制報告制度に対応するため、上場の前からIT全般統制を整え、運用した記録を残しておく必要があります。
関連する法令・指針(参考情報)
- 指針
金融庁(企業会計審議会)「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」(2023年4月7日)
内部統制報告制度の評価と監査の基準を改訂したものです。2024年4月1日以後に始まる事業年度から適用されています。ITへの対応では、ITの委託業務の重要性や、クラウドなどの利用に伴うセキュリティの確保が強調されています。
- 指針
経済産業省「システム管理基準」(2023年4月26日改訂)
システム監査基準の姉妹編として、ITガバナンスとITマネジメントの実践の規範をまとめた基準です。監査人の判断の尺度として使うほか、取締役会や経営者がITを管理するときにも使えるようにまとめられています。
法令は2026年10月21日時点の内容です。要旨は当社がまとめたもので、条文・判決・指針の全文ではありません。個別の事案への当てはめは、弁護士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。表記の決まりは法令・指針の参考情報と凡例をご覧ください。
関連する用語
- 内部統制報告制度(J-SOX)上場会社が、財務報告に関わる内部統制を経営者自らが評価して内部統制報告書を提出し、原則として公認会計士または監査法人の監査を受ける制度です。
- システム監査システムとその管理の状態を、専門性と客観性を備えた監査人が一定の基準にもとづいて確かめ、評価の結論や改善の助言を報告することです。
- 情報セキュリティ情報の機密性・完全性・可用性を保ち、漏えいや改ざん、使えなくなることを防ぐ取り組みです。
- ISMS(ISO/IEC 27001)国際規格 ISO/IEC 27001 に要求事項が定められた、組織として情報セキュリティを管理する仕組みです。
- ITデューデリジェンスM&Aの前に、相手の会社のシステム・データ・セキュリティ・IT人材などの状況を調べ、リスクと課題を見極めることです。
- ログシステムで起きた出来事を、日時とともに順に書き残した記録です。
- IT業務処理統制受注・請求・会計などの業務の処理の中に組み込まれた、入力の確認、自動の計算、マスタの管理などの統制です。
- 変更管理本番のシステムへの変更を、依頼・承認・テスト・反映・記録の手順で管理し、意図しない変更や障害を防ぐ取り組みです。
- アクセス権の棚卸しシステムの利用者とその権限の一覧を定期的に見直し、不要なアカウントや業務に対して大きすぎる権限を取り除く作業です。