AI BASICS

生成AIと、これまでのAI(予測・分類)の違い

生成AIは文章や画像を新しく「つくる」AI、これまで業務で使われてきたAIの多くは、数値を「当てる」予測と、種類に「分ける」分類のAIです。違いを表で比べ、向く仕事と、組み合わせて使う考え方を、はじめての方向けに説明します。

この記事の要点

  • これまでのAIの多くは、過去のデータから数値を当てる・種類に分けるAIで、答えに正解があります
  • 生成AIは、指示に応じて文章や画像をつくるAIで、答えが一つに決まらないため、人が読んで確かめます
  • 業務では、予測・分類の結果を生成AIが分かりやすい文章にするなど、組み合わせて使うことも多くあります

生成AIとは、指示に応じて文章や画像などを新しく「つくる」AIです。これに対して、これまで業務で使われてきたAIの多くは、過去のデータから数値を「当てる」予測と、ものごとを決まった種類に「分ける」分類のAIです。何をしたいのかを「つくる」「当てる」「分ける」のどれかで言い表してみると、どちらのAIが向くかが見えてきます。

AIという言葉の全体像はAIとは何かで説明しています。この記事では、生成AIと、予測・分類のAIの違いに絞って説明します。

これまでのAI(予測・分類)とは

予測・分類のAIとは、過去のデータから傾向を学び、新しいデータについて数値の見込みを出したり、決まった区分に振り分けたりするAIです。

  • 当てる(予測):過去の売上や出荷の記録から、来月の売上や来週の出荷量の見込みを出す
  • 分ける(分類):届いた書類や問い合わせの内容から、種類や担当の部署を見分けて振り分ける

データから傾向を学ぶ方法を機械学習と呼び、学んだ結果として数値や区分を出す仕組みを予測モデルと呼びます。どちらも、出す答えに「正解」があるのが特徴です。来月の売上は、来月になれば実際の数字と比べられますし、振り分けた区分が合っていたかも確かめられます。

生成AIとは

生成AIとは、指示に応じて文章、画像、音声、プログラムのコードなどを新しくつくるAIです。対話型の生成AIは、大量の文章から言葉のつながり方を学んだLLM(大規模言語モデル)を土台にしています。

生成AIの答えは、一つに決まりません。「会議の要点をまとめて」と頼んだとき、よいまとめ方はいくつもあります。そのため、答えが合っているかを数字だけで測るのは難しく、人が読んで、目的に合っているか、誤りがないかを確かめます。

当てる(予測)

過去の売上や出荷の記録
傾向を学ぶ
数値の見込み来月の売上、来週の出荷量

分ける(分類)

書類や問い合わせ
種類を見分ける
決まった区分種類や担当の部署

つくる(生成)

指示
新しくつくる
文章・画像など答えは一つに決まらない

当てる・分けるの答えには正解があり、実際の結果と比べて確かめられます。生成AIの答えは、人が読んで確かめます

違いを表で比べる

違いは、出すもの、答えの決まり方、確かめ方、主に使うデータ、始め方の5つで整理できます。

観点予測・分類のAI生成AI
出すもの数値の見込み、決まった区分文章、画像、音声、コードなど
答えの決まり方正解がある一つに決まらない
確かめ方実際の結果と比べて、当たった割合などで測る人が読んで、目的に合うか、誤りがないかを確かめる
主に使うデータ自社の売上・在庫・記録などの表のデータ指示の文章と、渡した資料
始め方自社のデータを集めて、学習させることが多い提供されているサービスに指示を出して、使い始められる

表は一般的な傾向です。生成AIに文章の分類をさせることもあれば、予測のAIで画像を扱うこともあります。

向く仕事は、どう違いますか

答えに正解があり、数値や区分で結果を使う仕事は予測・分類のAIに、文章を書く・まとめる・言い換える仕事は生成AIに向いています。

予測・分類のAIが向く仕事の例:

  • 商品の需要を予測して、発注や在庫の量を決める材料にする
  • 問い合わせや書類を、種類ごとに振り分ける
  • 設備のデータから、いつもと違う動きを見つける

生成AIが向く仕事の例:

  • メールや報告書の下書きをつくる
  • 長い資料や会議の記録を要約する
  • 社内の文書を探して、質問に答える

生成AIは、もっともらしい誤りを含むことがあるため、答えを人が確かめる手順を組み込みます。誤りとの付き合い方はハルシネーションとはで説明しています。一方、予測・分類のAIは、学んだデータと条件が変わると当たりにくくなるため、精度を定期的に見直します。

組み合わせると、どう使えますか

予測・分類のAIで数値や区分を出し、生成AIでその結果を人に伝わる形にする、という組み合わせ方があります。

たとえば、次のような使い方があります。

  • 需要の予測の結果をもとに、生成AIが「前の週より増える見込みの品目」を文章でまとめ、担当者に知らせる
  • 問い合わせを分類のAIで種類ごとに振り分け、種類ごとの資料をもとに、生成AIが回答の下書きをつくる
  • 書類から読み取った項目を区分ごとに整理し、確認が要る点を生成AIが一覧にする

どれも、数値や区分を決める部分と、文章をつくる部分を分けて考えているのが共通点です。需要予測の進め方は需要予測で在庫と発注を見直す、配車やシフトのように条件を満たす計画を組む仕事は配車計画・シフト作成をAIで組むときの進め方で取り上げています。

どちらから考えればよいですか

AIの種類から選ぶのではなく、業務の中で何をしたいのかから考えます。

  1. その業務で困っていることを、一文で書く
  2. AIにさせたいことを「つくる」「当てる」「分ける」のどれかで言い表す
  3. その仕事に使えるデータや資料が、社内にあるかを確かめる
  4. AIの答えを、だれがどう確かめるかを決める

「当てる」「分ける」なら、過去のデータがそろっているかが出発点になります。「つくる」なら、どの資料をもとに書かせるか、だれが読んで直すかが出発点です。どちらも当てはまる場合は、組み合わせを考えます。機械学習の方法の違いは、機械学習とディープラーニングの違いと、業務での使い分けもあわせてご覧ください。

当社のご支援

当社のAI開発の例には、主な品目の出荷量を毎朝予測する需要予測AIや、自社の資料を参照して答える対話型AIエージェントなど、予測と生成の両方の例を載せています。何にAIを使うかを決めるところからのご相談はAI・DXコンサルティング、業務に合わせた開発はソリューション提供をご覧ください。

  • 生成AI
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  • 分類
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この記事に出てくる用語

この記事を書いた人

桐谷 彰人 取締役COO

システムエンジニアとして、ビジネスモデルの策定から要件定義、開発、コードレビューまでを担当してきました。運送管理、飲食業向けのDX、ECサイトなど、さまざまな業界のシステム開発に携わっています。

このコラムは一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の状況への助言ではありません。製品・サービスの名前と内容は、記事の更新日の時点のものです。

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