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多重下請け構造とは、発注した会社から受けた仕事が、元請けから下請け、孫請けへと何段階にも再委託されていく取引の構造です。
システム開発では、発注した会社から元請けの会社が仕事を受け、その一部を別の会社に再委託し、さらにその先へ委託する、という形がとられることがあります。大きな開発で多くの技術者を集めるために使われてきた形で、ピラミッドのような構造にたとえられます。
段階が重なるほど、各段階で管理の費用が差し引かれ、実際に作業する会社や技術者に届く報酬は小さくなりがちです。発注した側の意図が伝言のように伝わるため、要件の食い違いや、責任の所在の分かりにくさにもつながります。誰がどこで作業しているかが見えにくく、偽装請負や情報の管理の問題が起こる原因にもなります。
発注する側は、再委託の可否と条件を契約で決め、再委託先を事前に知らせてもらうなどして、体制を把握しておくことが大切です。資本金や従業員数と取引の内容によっては、中小受託取引適正化法(取適法。2026年1月に下請法から改められた法律)の対象となり、委託する側が守るべき決まりがあります。
関連する法令・指針(参考情報)
- 法令
中小受託取引適正化法 第2条(定義)
製造委託・情報成果物作成委託・役務提供委託などの取引の種類と、資本金の額や常時使用する従業員の数によって、委託事業者と中小受託事業者にあたるかを定めています。プログラムは情報成果物に含まれます。
- 法令
中小受託取引適正化法 第5条(委託事業者の遵守事項)
委託事業者には、中小受託事業者に責任がないのに受領を拒むこと、支払を遅らせること、代金を減らすこと、通常より著しく低い代金を不当に定めること、やり直しをさせることなどが禁じられています。
法令は2026年10月21日時点の内容です。要旨は当社がまとめたもので、条文・判決・指針の全文ではありません。個別の事案への当てはめは、弁護士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。表記の決まりは法令・指針の参考情報と凡例をご覧ください。
関連する用語
- SIer(システムインテグレーター)企業の情報システムについて、企画・設計・開発・導入・運用までをまとめて引き受ける会社です。
- 偽装請負請負や業務委託の形で契約しながら、実態は発注した側が受託した側の働く人に指揮命令している、労働者派遣にあたる状態です。
- ベンダー選定システムの開発や導入を任せる会社や、使う製品・サービスを、比べて選ぶことです。
- ニアショア開発システムの開発を、国内の地方にある開発会社や拠点に任せる形です。
- 人月単価技術者1人が1か月作業したときの費用の単価で、システム開発の見積もりの基礎として使われます。
- 秘密保持契約(NDA)取引の検討や業務の中で開示する秘密の情報を、目的の外で使ったり、ほかに漏らしたりしないことを約束する契約です。