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契約不適合責任とは、引き渡した目的物が、種類・品質・数量などの点で契約の内容に合わないときに、引き渡した側が負う責任です。
2020年4月施行の改正民法で、それまでの瑕疵担保責任に代わって設けられた考え方です。売買では、目的物が契約の内容に適合しないとき、買主は修補などの履行の追完(第562条)や代金の減額(第563条)を求められ、損害賠償の請求や契約の解除もできます(第564条)。これらの規定は、請負など売買以外の有償契約にも準用されます(第559条)。
請負では、発注した側が不適合を知った時から1年以内にその旨を通知しないと、これらの請求ができなくなると定められています(第637条)。ただし、引き渡しの時に受注した側が不適合を知っていたか、重大な過失で知らなかったときは、この制限はかかりません。発注した側が出した材料や指図によって生じた不適合は、原則として責任を問えません(第636条)。
民法の定めは、契約で変えられる部分があります。システム開発の契約では、責任を負う期間を検収の完了から一定の期間と決めることが多く、IPAのモデル契約もこの形をとっています。何を不適合とみなすかの基準になる仕様をはっきりさせておくことも大切です。個別の契約については、弁護士などの専門家にご相談ください。
請負での、契約不適合の通知の期間(民法の定め)
引き渡しの時に受注した側が不適合を知っていたか、重大な過失で知らなかったときは、この制限はかかりません。システム開発の契約では、責任を負う期間を検収の完了から一定の期間と決めることが多くあります。※ 個別の判断は専門家にご確認ください
関連する法令・指針(参考情報)
- 法令
民法 第562条(買主の追完請求権)
引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しないとき、買主は、修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しによる履行の追完を請求できます。不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは、請求できません。
- 法令
民法 第559条(有償契約への準用)
売買の節の規定は、その契約の性質が許さない場合を除き、売買以外の有償契約にも準用されます。請負で引き渡したものが契約の内容に合わない場合に、売買の規定が当てはめられる根拠になります。
- 法令
民法 第637条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
注文者は、不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないと、追完・報酬の減額・損害賠償・解除を求められなくなります。引渡しの時に請負人が不適合を知っていたか、重大な過失で知らなかったときは、この制限は適用されません。
- 法令
民法 第636条(請負人の担保責任の制限)
注文者が提供した材料の性質や、注文者の指図によって生じた不適合については、原則として、追完・報酬の減額・損害賠償・解除を求められません。請負人が材料や指図が不適当だと知りながら告げなかったときは、この限りではありません。
- 指針
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報システム・モデル取引・契約書」(第二版(2020年12月22日))
情報システムの受託開発(一部の企画を含む)と保守運用の取引について、モデル契約と解説をまとめた資料です。民法の改正に直接関係する論点と、それ以外の論点の両方を見直しています。
法令は2026年10月21日時点の内容です。要旨は当社がまとめたもので、条文・判決・指針の全文ではありません。個別の事案への当てはめは、弁護士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。表記の決まりは法令・指針の参考情報と凡例をご覧ください。
関連する用語
- 請負契約仕事を完成させることを約束し、その結果に対して報酬が支払われる契約です。
- 検収納められた成果物が、契約で決めた内容や基準に合っているかを発注した側が確かめ、受け入れることです。
- 保守契約納めたシステムを使い続けられるよう、不具合の修正や問い合わせへの対応などを継続して行う契約です。
- 情報システム・モデル取引・契約書(IPA)システム開発の取引で発注する側と受ける側が担う役割と、契約書のひな型を、IPAがまとめて公開している資料です。